世代を超えた交流も芽を出しつつあ る。SNSを開発した川田は46歳だが、 頻繁にオフ会に顔を出す常連だ。SNS 上で毎日、たわいもない日記を書き続 ける40代の部長もいる。彼の日記に も若手のコメントが多数ついてくる。

2005年11月のオープンから1年後 には参加者が6000人を突破。今では 7000人以上のグループ社員が参加す る、国内最大の「社内ミクシイ」に成 長した。利用者の8割以上は、やはり 20〜30代のミクシイ世代だ。

もうひとつは、ヘッドハンティングというビジネスを仕組み化したことである。従来のビジネスは、ほとんどの場合が人脈を使って対象となる人材を探していた。経営トップという限られたニーズだから対応できたのかもしれない。レイスの場合は、人脈だけでなく、新聞、雑誌、インターネットなどからの情報やスカウト活動から、対象者を探していく。地道な作業になるが、従来のスタイルよりもはるかに接触する人数は多い。

スカウト部隊が会うビジネス パーソンの数は年間約2万人。 一方,クライアントの経営トッ プとは毎年300人前後と面会。 「優秀な人材を採用したいが, なかなか出会えない」と言う経 営者がほとんどという。企業側 の二一ズとそれを満たす優秀な 人材は存在する。ところが,こ れまではそれをつなぐスカウト というチャネルがなかったこ と,また人材側が二一ズに気づ いていなかったことが出会えな い原因という。スカウトを活用 すれば,タイトルにあるように, 35歳までに年収2,000万円を手 に入れることも「実現可能です」 と伊東氏は言う。

つまり、会いたいと思う人への 道筋が視覚的に簡単に分かるの だ。またログインすると、自分の ページに母校が同じ人や業種・職 種が同じ人を白動的に紹介してく れる。安全性の面では、レイスが その存在を対面や書面にて確認し た人物には、「本人認証」マーク が付けられるようになっている。 ネット上ではなく、あくまでもリ アルの世界でのコネクション構築 を意識した機能である。

この事業が現在のスカウト事 業の出発点になったという。つ まり「優秀な人材が来ないなら, こちらからプッシュしてアプロ ーチすればいい」。言い換えれ ば,「優秀なビジネスパーソン には,こちらから動かないと出 会えない」ということだ。

SNSによって「つながりたい」若手 世代が徐々に素顔を見せつつある富士 通グループ。果たして、ほかの大企業 はどうだろうか…。

単に空きポジションを埋めるといった手法ではなく、あなた自身のキャリアはもちろんのこと、ご希望や意欲など必要な要素を徹底把握します。更には各企業の経営方針・風土・待遇等を鑑み、あなた自身の能力を活かす親身なマッチングを目指します。「留学したいなんて、今の部署でし ゃべったことはほとんどない」。話は 盛り上がる。「飲みは楽しい人と行く ものでしょ」「多分、今の部署で孤独 だからSNSにはまってるんだと思う」 職場で仮面をつけた若手は、オフ会 で解放される。そして、富士通という 会社の魅力を改めて感じる。



実際のスカウトの現場では, 「その方がどういう歩みの中で, 何を思い,何にこだわりを持っ ているか。今後キャリアをどう していきたいかを改めて考えて いただくことが大事」と伊東氏 は強調する。「優秀な人ぽど, 目の前の業務に忙殺され,また 自分のやりたい仕事より会社で 何をすべきかを優先し,自分を 犠牲にしている」ためだ。

そんな青木がここに来たのは、白分 の市場価値に対する好奇心から。「話 だけでも聞いてみよう」という軽い気 持ちの青木に、吉村は1時間ほど熱弁 を振るった後、こう告げた。 「相手先の社長に一度お会いになっ てみてはいかがですか」 「そうですね、1魔くらいは」。

梱手は横井智(仮名、31歳、上の写 真の左側)。名門私立大学を出た横井 は大手生命保険会社に営業の幹部侯補 として採用されたエリートだ。 現在は営業幹部へのキャリアパスに おいて最も重要視される、都内のある 拠点の部門長。昨年配属されたばかり だが、期末まで2カ月残しながら今期 の予算を達成した。前任者が予算比 100%強だったのに対し、横井は前年 比130%を狙う。会社からも期待さ れ、年収も800万円と申し分ない。

FSTで事業部長を務め、社内SNS の開発責任者でもある川田博臣は、 「なんだ、遊びじゃないかと思われる 話題も碓かに存在する。ただ、そうい う交流を通じて人と人がつながること が大事。何気ないところで価値観が共 有できれば人間関係も強くなり、強い 会社ができる」と語る。例えば…。

スカウトされ得る人材は300万人。 優秀な若手が欲しい中堅・中小企業は 無限。ここに着目したレイスは3年後 までに売上高100億円、年間3000人 の移籍を手がける日標を掲げる。 人材を引き抜かれる企業の打撃は少 なくない。だが、藤は意に介さない。 ミスマッチの是正こそが、日本経済の 発展につながると確信するからだ。